俺、若森優太は明日結婚をして幸せになる。
そのつもりだった。
しかし彼女こと、真鍋真矢はその日の前日に、元カレに奪われた。
その損害は大きいものだ。
彼女の家は由緒正しいお家の一人娘なので、結婚式を挙げる予定の金銭や、結婚式予定だったために送付した招待状の回収や埋め合わせをしてくれた。
子どもに弱いご両親だったため、彼女の心配どころが俺の心配までしてくれて(当然だが)慰謝料という形で別れのお金まで用意してくれた。
けど、納得いかない。
俺には・・・・アイツしかいなかった。
それでやっと幸せになれると思っていたのに。
俺の友達数人関しては、彼女を責め続けている。
けどそれでは話はおわらない。
だから俺は友達にも話はしないし、電話やLINEをするつもりはない。
俺を選ばなかったには、俺になにかがあったかもしれないからだ。
だから責めることは間違っていると思っているのが俺の心情だ。
「あれー?ゆたちゃん??」
そこには幼馴染の麻由美が、彼氏とデートしていた。
ゆたちゃんというのは“優太”からもじっているだけだ。
「あ、あぁ麻由美か。デートか?」
「そう!ラブラブなんだよ!」
「へーいいなー」
「彼はね、見る目があるんだ!・・・・?」
麻由美の彼氏は俺を見つめた。
「あの、ちょっと話良いっすか?麻由美、喫茶店で待ってて」
「はーい!」
俺は名前も知らない幼馴染の彼氏に捕まった。
「あの・・・急にすみません。間違ってたらすみません。あなた、Mですか?」
「!!??」
「いや、あの、実は俺って真矢の友達でもあるんです。その時聞きました」
「なにを?」
「・・・性行為時にうまく責めてくれない。多分彼はMなんじゃないかって・・・それじゃぁこの先うまくいかないよなー・・・・って」
ここで思った。
俺ってM!!??
「もしよかったらここに行っていてみてください」
一枚の名刺を渡され、そのまま麻由美のいる喫茶店に行った。
名刺には、『おいでやす!SM事務所』と書いてある。
俺が・・・・・M・・・・
信じられん。
確かにセックスは苦手というか知識やテクニックはないが、あいつにここまで思わせてしまっていたんだな。
不甲斐ない。
そう、思うしかないのだ。
その日はそのまま帰宅することにした。
その日の夜中に電話が鳴った。
明日は仕事なのにな・・・
携帯を見ると麻由美からだった。
「なんだよこんな時間に」
出てしまった。
「あのさー今日彼氏から名刺渡されたでしょ?」
「あぁ」
「彼ね、SMのテクニシャンなんだ。名刺のお店のオーナーさん」
「マジかよ・・・」
「だからアドバイスもらったら何か行動に移しな。ゆたちゃんは何もしないから何も始まらないし終わりもしないんだからね」
そう、わかってる。
自分でもわかってるんだ。
だから俺は、明日行こうと決めてその日はゆっくりと寝ることにした。
翌日の朝。
会社は休んで朝からSMの場所に行くことにした。
正直な話だが性欲はたまりにたまっているし、性処理ができればいいなと思っていた。
「派手だな・・・・」
そんな派手な印象のお店に、ゆっくりと足を進める。
入る手前になると、俺に気付いた店員さんが出てきて招待してくれた。
「いらっしゃいませーー」
「あ、はい」
「ご氏名をどうぞ」
「初めてでよくわからなくて・・・・・」
「SMでしたらどちらで??」
「えっと・・・」
困っていると、昨日の麻由美の彼氏が出てきた。
「あ、オーナー!」
「こんにちは。お待ちしておりました。香川くん、このお客様は大事な方なんだ。俺に任せて」
「かしこまりました!」
二人になると、仕事の顔から昨日のプライベートの顔つきに変わる。
「きっと若森さんのタイプは・・・・・この子かな?」
お店の前にあるパネルの女性から、ある女性を指さした。
「この子は他人を引き出せる子でね。うちの看板娘なんだ」
「はぁ、園崎美央さんですか・・・」
「よし、彼女まだお客取ってないから案内してあげますよ。さ、中へどうぞ」
引き戻せない。
ここでお店に入ればもう後戻りはできない。
そう、肌で感じた。
けど俺にいはこれしかないし、麻由美の言う通り、動かなきゃな。
そう心にとめて俺は入店した。
中に入ると店内はもうほぼほぼピンク一色。
どこぞのラブホじゃ。
そんなことはどうでもよくて、オーナーを見ればすでに話し込んでいる女性がいる。
顔もスタイルも完璧な女性だ。
あんな女性と・・・・なんて考えると俺のペニスが膨れ上がりそうだから、途中で辞めた。
「あ、若森さん!」
きたーーー例の女性がきたーーーーー
「初めまして、美央です!」
「あああ初めまして、若森です!」
「ふふっ。ガチガチですね」
「ちょっと、恥ずかしいです。」
「いやーん早くもっともっとガチガチにさせたいーーん!!」
美央ちゃんのその発言に耳を疑った。
これは・・・・性癖の問題か?
「では若森さん。美央をよろしくお願いします。あ、本番オッケーなので」
「ちょ・・・・・」
「さぁて若森さん。こっちきてぇ♥」
連れられた部屋には手錠やらさらしやらいろいろなものがそろっていた。
大きなベッドに俺は押し倒された。
女性に押し倒されたなんて、産まれて初めてだよ。
「美央はぁ。ごりごりのSっこなの。もう見ただけでわかった。若森さんは・・・・・ゆうちゃんはドMだってね!」
「へ!?」
いろいろ突っ込みたい。
「さぁて、まずはガチガチをもっとガチガチにしちゃおーっと」
俺のジーパンのチャックを引っ張った。
「はい、立ってあたしの前でチャック下ろして?」
「わかったよ。」
「返事するときは、どうすればいいのかな?」
「分かりました。。」
「よしよし♪」
俺は彼女の前で恥ずかしながらチャックをゆっくりと下ろした。
なにせこんな風に女性の前でチャックを下ろすなんて行為は過去一度もない。
「いやーん。ちょっと勃ってる。かわいい。ご褒美してあげる」
そう言ってぱくっと俺のペニスを咥えた。
「んくぅぁ・・・・」
久しぶり味わう快感。
じゅるじゅると唾液をからませて舐められれば、最高潮まで勃起してくる。
「は・・・ぁ・・・」
「ん-ーじゅる。まだまだでひゅよ?」
「あ、そのまま喋らないで・・・」
「じゅるじゅる」
「あっ、あ、い、いき、いきそ・・・・・・」
頭が真っ白になる直前でお預けを食らった。
「だめだめー。これからあたしの乳首を舐めてね?感じなかったらぶつからね♥」
なんなんだ・・・これがSMプレイか・・・・。
ベッドにごろんと横になる美央ちゃん。
覆いかぶさるように俺はベッドに乗る。
一気に服を捲し上げて、ピンクでそそり立つ乳首がいやらしくてかわいい。
そのまま舐めるとバシッとなにかでぶたれた。
「だめ!まず最初は乳輪からだよ!」
「え?むち??」
「ダメな子にはムチですよ!」
いつの間にか美央ちゃんは鞭を片手にしていた。
「じゃあ今度はあたしの番だよ!ベッドによこになってね」
俺は言われるがままにする。
するとワイシャツの上から乳首をつまんだ。
なんだこの感じは・・・
美央ちゃんが俺の乳輪から乳首にかけて舐めてくれてる。
心の奥底からうずめく気持ちになる。
ペニスに直でつながるというか、そんな感じだ。
舌先で高速に舐められると、今まで味わったことのない快感を感じる。
「イク?イキたいの?」
「ぅあ・・・」
その瞬間に俺の股間の根元をぎゅっとつかまれた。
そのおかげで射精することができない。
「ぅあ・・・」
結婚するはずだった彼女とのセックスと違って、最高に満たされるのだ。
そう考えているとバシッと腹をぶたれた。
「何考えてるの?だめだよ一人で思いふけっちゃ」
「あ・・・ごめん」
「ごめんだって?」
またバシッと叩かれる。
「この豚がおもいふけってしまいごめんなさい、でしょ?」
・・・・なるほど。
こういうプレイか。
そしてそれに俺は興奮を覚えた。
「も・・・もう一度叩いてください!」
「そんなに痛いのが好き?ほらっ!」
バシィっとおしりをぶたれた。
それが快感に感じる。
そしてさらにいえば満たされる。
俺には・・・こういうプレイが向いているんだ。
だからノーマルなセックスでは感情をぶつけられない。
あぁ、だめだまたぶたれたい。
俺はこうやって自分の境地を悟るのだった。
「お願いです!もう一度ぶってください!!!」
「あは♥何回でもいいよ!ほらっ!!」
今度は乳首のある胸板をぶたれる。
最高に気持ちがいい。
「さて、そろそろご褒美の時間だね」
そう言って彼女は俺を押し倒して、自分で膣に俺のペニスを入れた。
「あぁん♥ん。太くて長くて立派なペニス」
「ああぁあっぁぁ気持ちいい!」
上下に動かれると快感が押し寄せてきて、
またイキそうになる。
「あ、っあ、いき、いきたいです!!!」
「しかた、ないなぁ。ん!あ!腰振るからいきなさい!あ!ん!」
「っは、もっと、もっと締め付けてください!」
「な、んで、これ以上は、あたしもむりぃ!」
「ほら、こうやって・・・いくよ!激しく突き上げるからね!!!」
俺は宣言通り、上に乗る美央ちゃんの腰をつかんで高速ピストンをする。
美央ちゃんは幸せそうな、つらそうな表情をしていた。
けどイキそうなのはわかった。
美央ちゃんの膣がひくひくしているから。
その中で俺も感じたい。
「美央ちゃん!喘いだまま俺をぶってください!!」
「んあ!!いいよ♥この豚やろー!!」
ばし!と腹に食らえば美央ちゃんの膣に合わせて筋肉のペニスは固くなり、
肥大化する。
そうすれば美央ちゃんも感じてくれるだろう。
「ぃああああ!!!だめ、いっちゃ、う!美央をここまでするなんて・・・」
「初めてなの?あぁ、気持ちいい。最高だよ美央ちゃん!!」
「うん!あたしも最高に気持ちいい!!んみゃああぁっぁあぁ!!」
「あぁぁぁぁ!くぁ・・・いくいくーー!!!!!!」
「んああああ!!」
こうして俺たちは同時に果てる。
「やっぱり君って見た通り、ドMなんだね。」
否定なんてできやしない。
こういうプレイが自分を満たしてくれたからだ。
それから俺はここの店の美央ちゃんに溺れるのであった。