それからの3週間は時々、「会いたいです」と連絡が来る程度で頻繁なやり取りがめんどくさいと感じる私にはちょうどいい距離感だった。
仕事の女王様業も多忙を極めた。
秋口、肌寒くなってくると人は温もりを求めるようになる。
M男共も縄と言葉に抱かれに来るのだ。
とにかく忙しく慌ただしく過ごし、約束の3週間はあっという間に過ぎた。
(宿題はちゃんとこなしているのかしら)
初めて会った時、男には宿題と称し自主トレをさせていた。
オナニーの度にアナルも同時に弄るようにと。
約束当日、前回と同じ待ち合わせ場所。
違うのは男がすぐにコチラに近寄ってきて、すかさず荷物を持ったことだろうか。
前回と同じホテルへ向かう。
その短い道中で、男はどれだけこの日を待ち望んでいたかを少し興奮気味に話した。
とてもとても長く感じる3週間だったそう。
私のあっという間に過ぎた3週間とは随分違ったようだ。
ホテルにつくと私に「お湯をためますか?」と訪ねてきた。
前回の経験が生きている(笑)
お湯はりを支持し、私は適当にドリンクを頼んだ。
男が風呂から戻ってくると、全開の言いつけを守り自ら服を脱ぎ床に正座をする。
「女王様、本日もご調教よろしくお願いいたします。」
だらしない体に似合わないとてもきれいな土下座だった。
まるでどこかの旅館で出迎えられたかのような見事さで、前回からは想像もつかなかった。
───色々と、とても良く出来たわね。前回からは見違えるようよ。
「ありがとうございます。女王様に会えない間、ずっと前回のことを思い出していました。次にあった時のイメージトレーニングをして過ごすのが楽しかったんです。お会いできて嬉しいです。」
言われなくても伝わるほどに行動がそれを物語っていた。
『待ち合わせでの荷物持ち』『ホテルでのお湯はり』『調教開始の挨拶』
どれをとっても本当によく出来ていた。
───今日はね、痛いことするのよ。
男は一瞬目を見開き「はい」とすべてを受け入れたような返事をした。
まずは前回と同様に、浣腸から始める。
プレイ中の粗相を防ぐためだ。
だが前回と違うのはシリンジは使わないこと。
毎度まいど丁寧にシリンジで雰囲気を出してあげるのは商売のときだけだ。
この男は私の奴隷。
手っ取り早く、そして私が楽しめる方法で処理をするための道具を用意した。
シリンジの代わりに用意したのはシリコンで出来た、シャワーのホースに取り付けるタイプの浣腸器だ。
だが、男にはそれが何かわからない。
私がシャワーヘッドを取り外しているのを見て何に使うものなのか予想がついたのだろうか、明らかに生唾を飲み込む音がした。
シャワーヘッドを外し、代わりにホースにそのシリコン製の浣腸器を取り付ける。
先がストローのようになっていて、ホースから直接水が出るのだ。
ちなみに、これを素人が使うのはおすすめしない。
その理由は水圧や量をコントロールするのが難しく腸を傷つけてしまうからだ。
私は勢いよく蛇口をひねりホースから直に出る水の水圧の凄さを見せつけた。
男は何も言わずにそれを凝視している。
温度調節を終え私が水を止めると、男は何も言わずに自ら四つん這いになった。
相当怖いだろう。
あの水圧を見せつけられた後でそれが自分の中に入るのだから。
私は四つん這いになる男の背中に後ろを向くようにして跨った。
ちょうど尻を見下ろす形だ。
その体勢のままホースをシリコンのストロー部分をゆっくりとあてがう。
───いい?いくわよ。
「はい。」
鳥肌が立っている、恐怖が体に出ている証拠だ。
蛇口をひねる。
「ヒッ‼‼」
男が情けない声をあげた。
あの水圧を想像したのだろう。
残念ながら見せつけたような水圧ではなく、ごくごく弱い水圧で徐々に腸内を満たしていく。
「アッ!ア…アァ、、はいって、、る」
───どこまで行けるのかしらねぇ。あと何秒?
前回同様、入れる量は自分で決めさせる。
男は今の水圧と前回のことを踏まえて秒数を考えだしたのだろう。
「あと10秒で。」
───じゃ、大きな声で数えるのよ?
「いーち!、にーい!、さーん!…」
私は蛇口に手を伸ばし、水圧を変えた。
「ヒィアアアッッッッ‼‼‼‼」
おおげさな(笑)
もちろん全開などではない。
全開などにすれば間違えなく腸が傷つくだろう。
にもかかわらず男は叫んでいる。
───あーれー?数はどうしたのかな?数えないなら終わらないけど…お腹大丈夫?このままじゃ破裂しちゃうよー?
「しーい…ごー…」
アナルから水が溢れてきた。
「あああぁ…ごめんなさい、ごめんない、もう無理です」
初めて弱音を吐いた。
───ろーく、なーな
絶望が混じる小さな声が聞こえる。
その間も、一度緊張を緩めてしまったアナルからは水が大量に流れ出ている。
私が前回とは違い四つん這いの後ろではなく、背中に乗ったのはこのためだ。
───はーち、きゅーう、じゅう!
勢いよくホースを引き抜く。
お腹の中にパンパンに詰まっていた水が堰を切ったように流れ出た。
初めて私に排泄シーンを見られて恥ずかしいのか、男は四つん這いのままうつむいて小さく震えている。
───よく頑張ったわね。
私は男をさっと流し湯船に入れた。
男が浸かっている間に浴室の処理した。
それも恥ずかしいのだろう、何も話さずに真っ赤な顔でこちらをみつめている。
慣れてくれば処理も自分でさせるが今日は初めてのことでまだプルプルしているので大目に見るとしよう。
私は一足先に風呂から上がり道具の準備を始めた。
宣言通り今日の調教には通常痛みを伴う。
拡張調教だ。
前回初めてのアナル調教では2本が限界だった男だが、今日は4本まで入れられるようにする予定だ。
男が風呂から出てきた。
『ピーンポーン』
インターホンが鳴った、初めに頼んでおいたドリンクが来たようだ。
───出てもらえる?
男は急いでガウンを羽織り受け取りに向かった。
戻ってきた男からドリンクを受け取ると、私は男を床に四つん這いに這わせた。
四つん這いになった男の背中にトレーごとドリンクを乗せる。
───落としたらお仕置きするからね。
「はい、女王様。」
すでに中の氷がカランと音を立てるほど揺れている。
私は手袋をパチンをはめるとワセリンを塗りおもむろにアナルに指を突き立てた。
「アッウ‼」
男が跳ねるとグラスは大きく揺れた。
かろうじて落とさずに済んだけれど、かなり危なかった。
(家具調教はまだ先ね)
少し残念な気持ちをおさえ、男の背中からトレーをおろした。
人差し指をどんどん奥へ進めていく。
若干の余裕を感じた私はすぐに指を2本に増やした。
───宿題はしっかりやっていたのね。指がすんなり入るわね。
「はい言いつけ通りオナニーのときにはアナルも同時に弄りました。あの日を思い出しながら弄っていました。」
───よく守れたわね。今日はさっき言ったように少し痛い調教になるわよ。
「はい、わかりました。よろしくお願いいたします。」
私は机に並べられた道具に手を伸ばした。
アナルの拡張用バルーンだ。
ゴム製で、空気入れがホースで繋がった先にバルーンが着いている。
初めはしぼめた状態で中に入れて徐々に空気を送り込むのだ。
───これね今はこんなにペラペラだけどね、大きくなると私のグーくらいの大きさになるのよ。おしり、裂けちゃうかな♪
恐怖か興奮か、男は顔を枕にうずめたまま小さく「はい。」と繰り返している。
私はバルーンにアナル用のローションを塗り男の中にゆっくりと入れていった。
現時点ではペラペラなバルーンはすぼめても私の指一本ちょっとくらいだ。
すんなりと中にはいったバルーンに空気を送りこむ。
シュッ、シュッ、シュッ。
徐々にバルーンが膨らんでくる。
バルーンの良いところは根本の大きさは変わらずに中だけが大きくなるところだ。
肛門を傷付ける心配が少なく見た目よりも初心者向きだ。
だというのに男は何やらギャーギャー叫んでいる(笑)
「すごい!おっきくなってます!」
中のバルーンは私の指四本分くらいになった。
それでも根本の太さは変わらない。
(このまま少し放置して、中で指3本分ほどまでに空気を抜いてから引き抜こう。)
アナルは入れるのには不慣れでも出す作業は日常的に行っているため簡単に広がりやすい。
───もう少しこのままで遊ぶからね。じゃあ、こっちを向いてごらん。
「はい。」と返事をして男が振り返ろうとしたその時、バルーンにつながっている空気入れを踏んで立ち上がったのだ。
ズルンッッ‼!
「あっ」
私の指四本分のバルーンが飛び出してきた。
───アハハハハッ!「あっ」ってなに(笑)
指4本分はあるのよ?なんで平気なの⁉アハハハ面白すぎるわアナタ(笑)!
「すみません!ああ、どうしよう、ごめんなさい、ほんとすいません。あの、、、実は宿題を頂いて自分でしているうちに先が見えまして。」
───先って何(笑)だめ、笑いが止まらない。クスクス。
「自分でいじっているうちに、あれ?!もう少し行けるかも?って思って、それで…」
───それで自分で拡張しちゃったのね(笑)
それであんな簡単にバルーンが…クスクス。
私はひとしきり笑ったあと、立ったままもじもじする男を座らせると思いっきり褒めてやった。
───私はあの日分かれる時に「指一本でも構わないから」と言ったの。それは可能ならその先もって意味だったのよ。偶然先が見えたとはいえ、よく頑張ったわね。
「あ…あ…ありがとうございます!」
───いいわ、がんばった分たくさん遊んであげる。
男を仰向けに寝かせ、足を抱えさせる。
もう気遣ってやる必要はない、私は四本の指を男のアナルに突き立てた。
「あああああっっ!!!!気持ちいいです、女王様!そこが!ああ!」
前回の成果か宿題のおかげかはたまたその両方か、男は前立腺で感じられるようになっていた。
───ほら、今度は私の顔がよく見えるでしょう。
今までは枕に顔をうずめていたから自分がどんな惨めで恥ずかしいことされてるか分かってる?ほら、頭上げてよーくこっち見なさい!
恥ずかしさと興奮で頭に血が上っているのか、男はまた顔を赤くしプルプル震えながら「ありがとうございます。」とつぶやいた。
と同時に今まで知らなかった全貌を目の当たりにしてようやく自分がされていることに対して現実味が湧いたらしい。
今までしぼんでよだれだけをダラダラ垂らしていたチンコが勃起を初めた。
「ああ、すごい…女王様…すご、、、ああああ!」
私は指を2本に変えてラストスパートをかけた。
「ああああ!女王様すごい!すごい!」
───そうね、気持ちいね。もっともっと気持ちよくなるのよ、ほらもうすぐ来る!
私のその言葉を合図に男は果てた。
いわゆる【ところてん】というやつだ。
「あぁ…あぁ…」
男は放心状態だ。
本当はバルーンとディルドを使って半ば強引に拡張していたがる姿を楽しもうと思っていたのだけれど…
頑張ったのならご褒美も必要。
男はそのまましばらく初めての感覚を放心状態で楽しんでいた。
